刀剣乱舞二次創作、燭へし小説のpixivからの再録本+書き下ろしです。
シブの紹介ページはこちら
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7895850このカタログのページに載せきれなかったサンプルも置いてあります。
・君が紡ぐいくつかのうた
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7271062 歌の上手い長谷部と、それを盗み聞きする燭台切の話。
・リップ・ムーブメント
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7343017 シブにあるものから倍以上書き足しました。7千字ひたすらキスしてる話。別名つやぷるリップ。
・咲き分けの桜
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7345281 テキレボ4無配に書き足したもの。塩対応燭台切と、冷たくされる理由がわからず戸惑う長谷部の話。
・僕と小さな長谷部くん
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7462726 記憶を無くし小さくなった長谷部と、長谷部に片思いする燭台切。二人暮らしの3日間の話。
・長谷部くんと小さな僕【書き下ろし】
「僕と小さな長谷部くん」後日談。ショタのふりをする燭台切の話。
・片喰み【書き下ろし】
顕現したてでこころやからだのことが分からない長谷部と、世話係の燭台切の話。
↓ サンプルは「リップ・ムーブメント」から。
* * * * * *
「じゃ、もらうよ」
律儀に宣言してから、光忠の柔らかな唇が長谷部のそれに押し当てられた。
感触を楽しむ暇も与えられず、光忠の舌が長谷部の口をこじ開けてきた。たまらず与えた隙間からあたたかい舌がぬらりと入り込み、口内が荒らされてゆく。すぐに、口蓋も頬の粘膜も、吐き気を感じるくらい奥までこすられた舌、その裏側のやわらかいところ、さらにはのどの奥までも、光忠に蹂躙され尽くしていった。
「み、つ、たらぁ」
名前すら呼べない。
まるで、嵐のようだ、と思った。
息を継ごうとしても、光忠は離れることを許さなかった。飲み込めない涎は、つながった場所からすべて光忠の喉へと落ちていった。光忠のなかから、ごくり、という音が直接響いてきて、長谷部は羞恥と快感と、そのほかいろいろな思いで泣きそうになってしまっていた。ただ、ぼうっとする頭のどこかに、泣いたら負けだ――そんななんとも子供っぽい思いが浮かんで、ただひたすら涙をこらえて、犯され続ける。
しばらくののち、ようやく獣の唇から解き放たれた長谷部がぜいぜいと喘いでいると、光忠は征服感をにじませて笑った。
「ほぅら、きみの吐息は、分かる。いやらしいね」
「……うるさい」
肩からずり下げられたカソックを、のろのろと羽織り直す。涎にまみれた口元が夜の空気に晒されて、ひやりと冷たい。袖で口を拭うと、光忠はそれを抗議と受け取ったのか、「長谷部くん」と優しく名を呼んだ。