高橋が死んだ。殺されたのだという。
今朝から教室はその話題で持ちきりだった。
ある日突然、廃ビルの屋上から転落死したクラスメイトの高橋。
彼は多くの同級生たちから好かれていたため、
ホームルーム前の教室は大変な騒ぎになっていた。
そんなクラスメイトたちと距離を置いている桐野和泉は、
ひとり窓際の指定席に座って、冷静に彼らの様子を窺っていた。
放課後。最寄駅で電車を降りた和泉の背中に、
ひとりのクラスメイトの声が掛けられる。
藤崎悠真。今までに一度も会話を交わしたことがない相手である。
何故藤崎は和泉に声を掛けてきたのか。彼と高橋との関係は……。
「俺が、高橋を殺したんだ」
高橋の死をめぐって翻弄される、
男子高校生ふたりの「共犯者」を描いた全4話のオムニバス。
【男子高校生|シリアス|ミステリ風】
■内容
01:あの日の空は晴れていた
02:キズイロ
03:独りの青 ……
sample 04:Re:blue