遙斗(はると)は、子どもの頃に出場したミニ四駆ジャパンカップの思い出の夢を見て目を覚ました。
その朝、単身赴任先にある最寄りの模型店「新倉模型」を初めて訪れた遙斗は、凄腕の美人レーサー・瑠貴(るき)と出会う。
瑠貴の親友で、新倉模型の一人娘でもある麻梨奈のおかげもあり、自然と打ち解け始めた3人。
遙斗はなりゆきで、すでにチャンピオン決定戦の出場権を持つ瑠貴をジャパンカップの会場まで連れて行くことになり、そして遥人自身も、子どもの時以来のジャパンカップ予選に挑むことになるのだが……?
……小さな車に想いを込めた人々の、小さな奇跡のヒューマン・ドラマ
ミニ四駆をテーマにした、オリジナルライトノベルです。
ミニ四駆になじみがない人でも、違和感なく普通にライトノベルとして楽しんでいただけることを意識し、できる限りの工夫をした作品となっています。
そのため、改造方法など技術面での細かい解説は、作中にはほぼ登場しません。ご了承ください。
読み手の皆様もぜひ遙斗の目線で『ファイナルラップ!』で繰り広げられる、ミニ四駆公式レースの世界を堪能していただけたらと思います。
そして現役レーサーの方にも、走るべきレーンに迷ってしまった若きレーサーたち、そして走るべきレーンを見失ってしまった大人レーサーたちに、この『ファイナルラップ!』は道しるべのひとつにたり得る作品と思っています。
著/悠川白水
表紙・挿絵イラスト/がっかりうどんぬ