「バッドエンド」にこだわった、後味の悪さと苦い鬱っ気に浸れる短編3本収録。
『白紙病』――「彼」の記憶が白紙に戻るように、すべて消えていく。ファンタジー風の世界観の中淡々と紡がれる、ある恋人たちの物語。
『感情の電子』――いつから、すれ違っていたんだろう。卒業、彼女の就職、一方で就職活動に失敗し故郷に帰った主人公。崩れていく関係を綴った、恋の終焉までの物語。
『自殺志願者の森』――何もかもが、うまくいかないなら終わらせてしまえばいい。引きこもりの主人公は、自暴自棄を起こした末に集団自殺オフ会に参加するのだが、参加者は皆それぞれの理由を抱えていた。淡々と死に向かう若者たちの物語。
……この結末からは、逃れられた?