こちらのアイテムは2015/10/10(土)開催・第2回 Text-Revolutionsにて入手できます。
くわしくは第2回 Text-Revolutions公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

夾竹桃

  • C-13 (ファンタジー)
  • きょうちくとう
  • ななつ ほしなみ
  • 書籍|B6
  • 400円
  • 『夾竹桃』全143頁

    あらすじ
    もう直ぐ我が身にやって来る死を恐れながらも、生に執着出来ない少女鼎(かなえ)は、美しいものに心慰められる、と語る少年明星(みよせ)に出会う。彼と話す内に、鼎は幼い頃、夢の中で名前の無い友達と遊んだ事を思い出してゆく。彼女は死という夢幻の旅路へと踏み出すのか。それとも死を否定し続けるのか。夢と現とが混じり合う中で、彼女が行き着いた世界とは。

    本文サンプル
    「でも、僕を呼ぶなら一つだけ」
      家の前に着くと、また目の前で膝を突かれる。目線が勝ち合って、何となくくすぐったい。なあに、と問うと、ほんのり悪戯っぽい表情が見えた。
     「さっきみたいに、下の名前で呼んで欲しいなって」   
       驚いて何回も瞬きをすると、明星はにこにこと笑って立ち上がる。ああ嬉しそうな顔をしてる、と思って、不思議とほっとした。空を仰ぐと、月が出て居た。夜は綺麗だよ、と今一度言う。一番星も見つけた。綺麗でない筈が無い、と感じる。
    「夜は綺麗だよ、明星の居る処だもの」
      大きな声で歌う様に言うと、夜の風が吹いて来た。湿った髪が後ろに靡いて、気持ちが良い。心が動いて居るんだ、と思う。身体の代わりに、心が走り出して居た。
    「ありがとう鼎ちゃん、夜を綺麗にして呉れて」
      そう言って彼は手を振る。深い色の瞳は、星を湛えた様に光って居る。本当の事を言えたんだ、と確信して、鼎も手を振り返した。

    見どころ
    精神世界でボーイミーツガール。甘酸っぱくはないけれど、まっすぐで懸命できらきらした物語。恋愛小説は読みたくないけど少女漫画は読みたいという人は是非どうぞ。

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