こちらのアイテムは2015/3/8(日)開催・第1回 Text-Revolutionsにて入手できます。
くわしくは第1回 Text-Revolutions公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

もう消えた女王の夢を見ない

  • 委託-09 (ファンタジー)
  • もうきえたじょおうのゆめをみない
  • kud
  • 書籍|A5
  • 400円
  • http://spt2k.tumblr.com/
  • 2014/1/19(日)発行
  • ――女王を失くした主に尽くす幼い兄弟がいた。ある日一人の男が主を訪ねる。――

    <冒頭一部抜粋>
     トンネルのような回廊は、いつもより濃い暗闇でした。
     正しく並列された灯火がゆらゆらと陽炎のように揺れて、おまえの訪れを告げました。
     回廊の終わりが旅の終着点となり、目の前には次の始まりに続くドアがありました。
     ドアの前でしばらく立ち尽くしていた、その時間こそが、おまえの決意と重みを表していたのだろうと思います。
     そしてついにドアを開け、寝床に横たわるわたしへ姿を晒したとき、思わず目を見はりました。
     やせっぽちの体に真っ黒なぼろ布を重ね着し、武器のひとつも持たない、こんなにもみすぼらしい姿だとは思わなかったのです。そんな酷い装備でこれほど深い場所へ到達するとは、鬼気迫るものを感じました。
     その執念を讃えおまえの要望を受け入れましょうと言ったところ、
    「では、どうしてこんなことになったのか説明してください」
     俯き加減で表情はよく見えませんでしたが、呻くように吐き出された言葉に促され、これまでの詳しいことを語ることにしました。
     長い話になるので、ベッドの横にある椅子を勧めたところ、
    「俺がそんなに近くへ寄ることを、許されるのですか?」
     わたしの労りにおまえは警戒したのでしょうか。しかしいぶかしむ口調とは裏腹に、おまえの風貌はどこか暖かみを感じたので、わたしは黙って頷き語り始めました。

    創作文芸見本誌会場でも立ち読みできます。
    http://books.doncha.net/happy-reading/detail.pl?uid=1497394669&bookid=522

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