――はるか遠く、あまたの昼と同じ数の夜を超えてなお、
めぐりめぐる水は大地に、海に
旋律は空に、万花はこの腕に
水、音楽、空、海、花、光などをモチーフに、つながるもの、めぐるもの/うつろうもの、うつろわざるものをテーマにしたファンタジー短編集。
西洋風、和風、SF風と作風もさまざまで、「灰青」の作品が初めての方にもお勧め。
試し読みは
創作文芸見本誌会場 HappyReadingさんでどうぞ。
【収録作品紹介】
「夢の中、水の彼方、道の果て」
奇妙な夢を見た穴掘り屋は、知人の魔法使い、すべての道を知る「門番」に相談にゆく。話を聞いた門番の表情は険しい。
「奏で、鳴り響く月夜の」
夜にだけ奏でられるピアノが招いた、少年と鳥との邂逅。
(
自サイトにて全文を読むことができます)
「あめつちをまもるもの」
地表が砂に覆われた世界で、少年は一人旅に出る。砂に埋もれた遺跡で彼が見つけたものとは。
「海神の炎」
内海の孤島に住む鬼の若者は、水平線をうっとりと見つめる人魚の姫を忌々しげに睨みつける。
「かなたの海」
砂嵐と大嵐、天変地異に見舞われる地を結ぶのは、鮮やかな夢。
「ひかりのどけきはるのひに」
花咲く野に現れた老いた猟犬。かれを見つめるは、一輪の――。