こちらのアイテムは2019/6/16(日)開催・第三回静岡文学マルシェにて入手できます。
くわしくは第三回静岡文学マルシェ公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

ぽぽぽぽ

  • え-10 (小説|短編・掌編・ショートショート)
  • ぽぽぽぽ
  • へにゃらぽっちぽー
  • 書籍|A5
  • 86ページ
  • 200円
  • 2019/05/06(月)発行
  • へにゃらぽっちぽー兄さんやへにゃぽちゃんはおでかけをします。おんがくまつりを楽しみ、アザラシ検定を受けて、南の島でバカンスをします。ゆかいゆかい。
    「ぽ」「ぽぽ」「ぽぽぽ」に続く短編集が「ぽぽぽぽ」です。どの本のどの短編からでも、わくわくと読むことができるのです。


            目次

    おんがくまつり          7

    ごしごし             25

    おみくじ             32

    ダンス              38

    試験               40

    文通               43

    朝                50

    ここは南の島です         53

    プール              72   




         ~以下試し読みをごらんください~


     ごしごし 


     年末なので大掃除をしましょう。ごしごし。きれいにします。ごしごし。ぴかぴかにするのです。ごしごし。

    「こんにちは」

     ランプをごしごしとしていると、声が聞こえてきました。

    「ぽ?」

     だれですか。

    「私はランプの精です」

     ランプの精さんでした。「へにゃらぽっちぽー!」とあいさつをします。

    「ごしごししてくださりありがとうございます」

     お礼を言われました。いえいえ、あたりまえのことをしたまでです。

    「そちらにうかがいます」

     へにゃらぽっちぽー兄さんはわくわくとランプの精さんを待ちます。

     

     

     ぴんぽーん

     

    「にゃぽ!」

     玄関でドアノブをごしごししていたへにゃぽちゃんがびっくりします。だれかがやってきました。

    「私はランプの精です」

     私はへにゃぽです。

    「へにゃぽさんこんにちは」

     はい、こんにちは。

    「へにゃらぽっちぽーさんはいらっしゃいますか」

     ごしごしとしていますよ。

    「ではおじゃまします」

     どうぞどうぞ。

     

    「こんにちは、ランプの精です」

    「ぽー! ぽぽぽー!」

     ランプをのぞきこんでいたへにゃらぽっちぽー兄さんがびっくりします。ここから出てくるわけではないのですね。

    「そんなにせまいところには入れません」

     ランプの精さんは大柄な方です。

    「ぽっちぽ、ぽっちぽ」

     掃除中ですが気にせずくつろいでいってください。へにゃらぽっちぽー兄さんは石をみがきます。ごしごし。

    「いえいえ、お手伝いします」

     しんせつなひとです。でも、お客さんに掃除をしてもらうのはなんだか申し訳ないです。

    「ランプをごしごししていただいたお礼です」

    「私はねがいをかなえる仕事をしているのです」

     そうですか、ではよろしくおねがいします。

    「ぽっちぽ、ぽっちぽ」

    「ごしごし、ごしごし」

    「ぽっちぽ、ぽっちぽ」

    「ごしごし、ごしごし」

     へにゃらぽっちぽー兄さんが一年のあいだに拾った石を、ランプの精さんもみがきます。

    「ぽっちぽ、ぽっちぽ、へにゃらぽっちぽー!」

     かんぺきです。これで年を越すことができます。

     

     へにゃぽちゃんは家中のドアノブをみがいています。ごしごし。

    「私はねがいをかなえる仕事をしているのです」

     でしたら手伝ってください。

    「大柄なので高いところをみがきます」

     ランプの精さんは屋根をみがきます。ごしごし。

     

    「へにゃぽ!」

    「へにゃらぽっちぽー!」

    「ごしごし!」

     無事みがきおわりました。大掃除はおしまいです。

    「にゃぽ……にゃぽ?」

     そういえばランプの精さんというのはなんだか聞き覚えのあるおなまえです。へにゃぽちゃんは考えます。

    「へにゃぽ!」

     思い出しました。こないだ寝る前に聞いたお話で、このひとが活躍していたのです。たしか魔法が使えるのですよね。

    「そうですね、魔法を使います」

    「なにかねがいごとをおっしゃってください」

     ありがとうございます。それでは魔法でなにかおいしいものを出してもらえますか。みんなで食べましょう。

    「承知しました」

    「ごしごし!」

     これが呪文のようです。

    「ごしごし! ごしごし!」

     ランプの精さんが気合を入れて叫ぶと、テーブルの上にもくもくと煙がたちこめます。

    「ごしごしごし!」

     へにゃらぽっちぽー兄さんとへにゃぽちゃんは、「ぽっちぽ……」「へにゃぽ……」と、おどろきながら注目しています。

     

     もくもくが晴れていくのを待ちましょう。たくさんのごちそうが並んでいるにちがいありません。

    「ぽ?」

    「にゃぽ?」

     ふたりは首をかしげます。小さな紙切れが一枚あるだけです。

    「ぽぽ?」

     なんだろう。数字が書いてあります。

    「へにゃぽ、へにゃぽ」

     電話番号のようですね。かけてみましょう。ぷるるるる、ぷるるるるる。

    「こんにちは、私はおすしを握って売る仕事をしているのです」

     おすし屋さんにつながりました。

    「出前もやっています」

     では三人前くださいな。

     

    「ぽっちぽ……ぽっちぽ……」

    「にゃぽ……へにゃぽ……」

     ごしごしとみがいたあとのおすしは格別です。

    「私はもっと魔法のうでをみがく必要があります」

     ランプの精さんはうまいことを言おうとしています。あまりおもしろくありません。

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