夢を見た。空を飛んでいる夢だった。
途方もなく高い空を突き抜けるように、入道雲が笑っている。その白い笑顔を取り巻いているひび割れそうな青色。その中で翼を広げ、私は悠々と風を切っている。頬が引きつってしまうような速度、目が開けられているのが不思議に思えるような音。私は一人でも、寂しくなかった。
青い鳥。
青い鳥になって、同じ色の空に溶けていく。私の翼がどこまでで、どこからが空なのか、もう誰にも分からない。世界が笑っているような気さえした。この空の向こう、どこまでも飛んでいったら、私はどこまで行けるのだろう。