--------------------
「姉さん、おっぱいが出ます」
あらゆる意味でよわいおとこの、個人的な戦争の日々。
おっぱいをたらしたり嘔吐したりしながら、どのようにして“玉音放送”に至るのか?
海辺の町のやぶれかぶれな独白小説です。
--------------------
[あらすじ]
共依存めいた関係にあった姉から逃げるように東京を離れ、
さびれた温泉街の旅館で住み込みの仕事を始めた男・郡司。
いっさいの連絡を絶ち一年になろうとしていたが、心は吹っ切れない。
また、常用している薬の副作用による乳汁分泌に悩まされ、
消極的な死に憧れを見出していた。
ある日、姉とそっくりな少女と出会い、郡司はひどく混乱する。
「あれは姉の生霊だ。おれの戦争はまだ終わっていなかった」
妄想を克服しようとするうち、旅館の社長の姪・七美から秘密を打ち明けられたり、
同僚・アランと関係したりする。
やがてゲンバクよろしく、郡司に降ってきた圧倒的な痛みとは──。
--------------------
※男性の母乳、同性・異性間の性行為に関する描写を含みます。直接的・詳細な性表現はありませんので、年齢制限は致しません。逆にそういったえろすを期待して読むとがっかりすると思います…。
公式アンソロ「猫」に寄せた「飴と海鳴り」が習作の扱いです。
http://text-revolutions.com/event/archives/3795
話がつながっているというより、同じ題材を書いた感じです。「ぎょくおん」では猫に会えなかったルートを描いています。それぞれ別個でお楽しみいただけます。
文字組みサンプルは上記リンク先の自サイトに冒頭4ページをのせています。
試し読みは尼崎文学だらけのページが見やすいです。またこちらには推薦文をお寄せいただきました。ご参考にどうぞ。
http://necotoco.com/nyanc/amabun/guide/bookview.php?bookid=17