お月さまみたいな、不思議な銀色の瞳を持つその人たちと出会ったのは、今からちょっとだけ前。
辺りがどんどん暗くなって、ひとりぼっちで心細くなっていた時、待っていたお父さんより先に、あたしを見つけてくれたの。
「大丈夫。必ず……迎えに行ってあげるから」
あたしを迎えにきてくれるって約束してくれたお父さんは、約束の場所でいつまで待っても来てくれなかった。
あたしは知らない人と話すのがすごく苦手。その人は、すごく粗野で怖そうな人だったんだけど、でも本当はとっても優しくて、初めて会ったあたしのこともいっぱい心配してくれたの。
でもこの時はまだ、この人たちがあたしの人生を変えちゃう人だなんて、思ってもいなかったわ。
今は、良かったと思ってる。でもちょっとだけ、迷ってもいる。だってお父さんとの約束は、まだ果たせていないんだもの。