「人はどうして絵に感動するのでしょうか。私はそれが知りたいです」
戦争が終わって十七年。世界の半分が荒野に変わった日々も次第に薄れ、戦時下の最重要技術と謳われていた人造人間(ヒューマノイド)も近いうちに民間転用が解禁されるのでは、と噂されている。
画家、咲良竜水はある夜見知らぬ少女と出会う。
「この子を育ててやってくれ」
指し示されたその子の腕は、人のものとは思えないほど冷たかった。
※小説投稿サイト「Taskey」にて掲載したお話に手直しを加え、最後まで書き通しました。
著:雲鳴遊乃実
イラスト:雨森柚季